ローマ初日 <三種の神器の裏切り>
4月2日
テルミニ駅に到着。
ローマの玄関口と言われるだけあって、さすがに大きくて人が多い。
さっそく「ローマパス」をタバッキオと呼ばれるキオスクのような店で購入する。
ちなみに「ローマパス」とは、3日間だけ美術館などが最初の2つまで入館料無料、しかも地下鉄やバスが乗り放題というどえりゃあお得なパスなのだ。
「ローマパス」の画像を載せようと思ったが、シールを取る際に興奮しすぎてかなり醜くはがしてしまいガムがへばりついたみたいになってるので遠慮しておく。
サンドバッグのようなリュックを揺すりながら、ホテルの場所に向かう。
心配していたGPSはちゃんと動いていたので、スマホの地図を見ながら歩を進めた。
ホテルから「駅に到着したら電話をください」とメールがきていたので、さっそく電話をかけることに。
日本でチャージができるSIMカードを購入していたのでさっそくコールする。
しかし、
電話がつながらない…。
え、まさか…、ははは
何度やっても電話がつながらない…。
え、電話ができへんってヤバないか…。
日が少し傾きはじめ、無情にもチェックインの時間が迫ってくる…。
とりあえず直接ホテルに行こう。
急にリュックがずっしりと重たくなった。
Wi-Fi、GPS、電話と現代の三種の神器でボコボコに殴られた気持ちがどのようなものかおわかり頂けるだろうか。
なんとかホテルの近くまで到着するも、普通のアパートのような建物が並んでいるだけでホテルらしきものは見当たらない。
何度住所を確認してもこのあたりであってるはずだが…。
このままではまた不審なアジア人になってしまう!と焦っていると、
一人の老人が声をかけてきた。
小太りでハンチング帽を被ったいかにもヨーロッパのおじさんという感じの人だった。
「どうしたの?」
「あの、ホテルを探してまして…」
「この辺にホテルなんてないよ?」
「え?」
いや…、冗談キツいぜ。
ここでこの流れはヘビー過ぎるぜ。
とりあえずおじさんにBooking.comのホテル情報を見せてみるが、
「こんなホテル聞いたことないなあ。この辺にあるの?」
と逆に質問された。
これ以上進展しそうにないので、お礼を言ってその場を立ち去った。
このままではチェックインの時間が過ぎてしまう。
もし受付の人が帰ってしまえば最悪野宿になってしまう。
とりあえず深呼吸をして冷静になろう。
建物の扉の脇をよく見るとパネルがあることに気がつき、部屋の所有者の名前とその横に呼び鈴が並んでいるのを発見した。
なるほど、そういうことか!
あの建物で合ってたんだ!
さっそくホテルの場所に戻りパネルに並んだ名前を見ると、
あった!
そこにはホテルの名前が(小さく)燦然と輝いていた。
時計を見るとチェックインの時間がとっくに過ぎている。
一抹の不安が頭をよぎりながら呼び鈴を押す。
応答があり、スピーカーから音がするがはっきりと聞こえない。
「あ、すいません。予約をしていた者ですが…」
とインターフォン越しに伝える。
しばらくするとビー!という音がしてガチャンと鍵が開くような音がした。
そして扉に手をかけると、
開いた!
この感動はゼルダの伝説以来だ。
中に入ると意外に綺麗な玄関だった。
奥に進むと古い洋画で観たことのある手動の扉がついたエレベーターがあった。
乗ってみたかったけど、今までの流れ的に閉じ込められる可能性が高いので、素直に階段を使うことにした。
長くなったのでここで一旦切ります。
冒険はまだまだ続くよ。