ミュンヘン【時代をつくる技術と働く人たち】
5月16日
本日の予定
- ドイツ博物館
長旅の疲れが少し出てきたので、今回は観光を控えてホテルでゆっくり過ごすことにした。
アンティーク調の内装が落ち着く。
それにしても一人旅にはもったいないベッドの広さだ。
炭酸なしのミネラルウォーターは珍しい。
ヨーロッパは天然の炭酸泉が多いので炭酸水がよく飲まれているが、中でもドイツは炭酸水好きでミネラルウォーターの7、8割ぐらいを炭酸水が占めている。
そのためレストランに行っても「ノン、ガス」と言わない限りだいたい炭酸水が出てくる。
寿司屋に行った時も炭酸水を出され、さらに前菜のスープとして味噌汁が運ばれてきた時は思わず笑ってしまった。
ホテルで写真の整理と旅程の調整などを一通り終えると、ちょうどおばちゃんのお掃除部隊が近づいてきたので、ドイツ博物館に向かうことにした。
ドイツ博物館は1903年に電気工学者であるオスカル・フォン・ミラーが提唱した博物館で、青少年にドイツの科学技術を引き継ぐことを目的として設立された当時としては珍しい体験型博物館だ。
青少年のためとは言え、敷地面積5万平方メートルの大規模な博物館で、農業、鉱業、航空工学、鉄道、機械、宇宙など50室以上の展示室に1万7千点以上もの展示品目が並べられている。
なかでも音楽や数学のフロアがあるところはドイツらしい。
おじゃまします!
船がまるごと展示されている。
ドイツの博物館はとにかくスケールが大きい。
ベルリンのペルガモン博物館も遺跡をまるごと展示していたが、ここも負けてはいない。
これはライト兄弟が初飛行に成功した飛行機だ。
ちなみにお笑い芸人のダウンタウンは昔「ライト兄弟」というコンビ名で活躍していたが、「青空てるお・はるお」と名乗っていたこともある。
これはUボートと呼ばれる潜水艦だ。
第一次世界大戦から第二次世界大戦時に活躍した。
当時制海権はイギリス海軍が圧倒的に強かったため、ドイツ海軍は潜水艦をつくることで海上封鎖を図り、非武装の商船を集中的に攻撃して戦果を挙げた。
しかし大戦末期になると連合国側が一斉に反撃に出て「狩る立場から狩られる立場」になり、結果としてドイツ軍全部隊の中で最も死亡率が高い部隊となった。
あんまり調子に乗ってはいけないという教訓である。
ここで高圧電流を流して【人工の雷】を作るデモンストレーションが行われていた。
【放電実験】
青白い電流が生き物のように動いている。
コンビニの入り口に設置すれば虫たちもビビるに違いない。
【人工の雷】
耳を塞いでいても炸裂音が鼓膜を突く。
ニューヨークの街中でこんな音を出せば、一瞬で特殊部隊に囲まれることだろう。
しかしドイツ博物館は広い。
ミスチルではないが、次の扉をノックしても終わりなき旅である。
この機械の重厚感と武骨さが渋い。
オシャレな工作機械だ。
これでレザーのエプロンをして仕事をすれば"KINFOLK"で意識高い系職人と紹介されるに違いない。
ドイツ博物館の中に日本のコーナーがあった。
昔の台所道具や和紙をつくる道具などが展示されていた。
鉄材の展示物が多かっただけに、木材と障子のやわらかい光を見て気持ちが和んだ。
ここでは実験装置を操作して様々な物理現象を体験することができる。
水滴が玉のようになってレール上をサーキットのように走り、最後は漏斗のようなところに円を描きながら落ちていくという装置だ。
単純な装置だが子供心をくすぐられて何度見ても飽きず、ドイツ人の子供たちに紛れてしばらくの間眺めていた。
子供の頃近くにこんな博物館があったら、一つ一つ夢中になって見入っていただろう。
そして科学をより身近なものに感じ、働く人たちをカッコいいと思っていたに違いない。
久しぶりに子供のようにワクワクする体験ができて楽しかった。
ホテルに帰るとお掃除部隊のおばちゃんたちが部屋を綺麗に片付けてくれていた。
皆さんのおかげで今日も生きてます!
いつもありがとうございます!
次はいよいよ最終目的地であるスイスに向かう!