ちょっと世界散歩してくる

アル中<歩き中毒>の世界散歩日記

ベルリン【ウルトラ・チャーリー】

5月6日

本日の予定

  • チェックポイント・チャーリー
  • ベルリンの壁
  • ペルガモン博物館
  • ベルリン大聖堂

グーテンモルゲン!

(おはようございます!)

 

数日前ベルリンに向かうInter City(特急列車)のコンパートメント(個室)を予約したのだが、指定された席に行くとすでに家族連れらしき人たちが占拠していた。

注意しようと思ったがふと思い直して2等席の車両に移った。

というのも、僕は向かい合わせの席があまり好きではないからだ。

ヨーロッパの列車の1等席は大体こんな感じにテーブルを挟んで向かい合った座席配置になっている。

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コンパートメントはこれの個室バージョンなので、もし知らない人同士で気が合わないと息がつまりそうになる。

だからかえって2等席の方が良い時もあるのだ。

ただしヨーロッパは階級社会だけあって、1等席と2等席の客層はハッキリ分かれている。

1等席はビジネスマンやお年寄りが多く、2等席は若者や庶民階級の人が多い。

したがって静かにゆっくり旅を楽しみたい方は1等席、現地の生活に触れたい方は2等席、沢木耕太郎のような旅を楽しみたい方は屋根をオススメする。

 

2等席で酒に酔った若者の大合唱に延々付き合わされている間に ベルリン中央駅に到着。

まずはチェックポイント・チャーリーに向かう。

チェックポイント・チャーリーとは、冷戦時代ドイツが東西に分断されていた時代の国境検問所だ。

つまり今の朝鮮半島の38度線のような場所だ。

当時ここを通過する瞬間はものすごい緊張感があったと思う。

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今やコスプレ会場である。

この周辺にはマクドナルドやケンタッキーなどが建ち並び「資本主義の壁」が形成されていた。

 

ちなみになぜ「チェックポイント・チャーリー」と呼ぶのかというと、かつて西側連合国はこの検問所を「チェックポイントC」と呼んでいた。

当時の隠語としてAはアルファBはブラボーCはチャーリーと呼称していたため、ここを「チェックポイント・チャーリー」と呼ばれていたのだ。

だからかつて吉本新喜劇で一世を風靡したチャーリー浜とは全然関係ないのだ。

むしろ彼をC浜と呼ぶのが業界人である

 

さて、散歩を続ける。

ベルリンの街は碁盤の目のように設計されているので道の名前さえ覚えれば迷うことなく散歩ができる。

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テクテク

 

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テクテク

 

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テクテクテクテク…

 

しばらく歩くとホロコースト記念碑が見えてきた。

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これはナチスドイツによって犠牲になったユダヤ人のための慰霊碑だ。

高低差の異なる3000もの石碑がグリッド状に配置されている。

石碑にはなにも書かれておらず、名前のない墓標のようだった。

にぎやかな街の一角に佇むこの慰霊碑から名もなき人々による無言の圧力を感じた。

 

さらに歩くとブランデンブルク門が見えてきた。

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ブランデンブルク門はもともと関税門であったが、ベルリンの壁が築かれて以来この門を固く閉ざし、冷戦が終結するまでの28年間事実上の「東西を隔てる壁」となっていた。

ブランデンブルク門の周りは広場になっていて人々の憩いの場になっていた。

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この自転車は四方八方に分断されている。

 

街を歩いていると「ベルリンの壁」は各所に点在していた。

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ベルリンの壁に装飾を施しているのかと思い、近くで見てギョッとした。

ガムがフジツボのようにびっしりと付いていた。

 

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一瞬気付かなかったがこれもベルリンの壁だ。

冷戦を象徴する壁は今や落書きのキャンパスになっているようだ。

この調子では地下鉄は落書きですごいことになっているに違いない。

ちょっと行ってみたろ!

 

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この綺麗さはウルトラ・チャーリー(ウルトラC)だ!

落書きどころかゴミひとつ落ちてない。

疑ってすみませんでした。

綺麗な地下鉄に乗ってペルガモン博物館に向かった。

 

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この博物館の何がスゴイかというと、遺跡がそのまま入っているのだ。

遺跡だけでもかなり大きいのにそれを館内に展示しているということは、

大食い中の人をそのまま丸呑みにするぐらいスゴイ博物館なのだ。

ちょっと行ってみたろ!

 

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遺跡そのものを展示するという発想もスゴイが、それを本当に実現するのもスゴイ。

美術館といい博物館といい、海外のスケールの大きさには毎回感心させられる。

ただ今回はペルガモン博物館の目玉のひとつである「ゼウスの祭壇」が修復中だったのが残念だった。

2020年に完成予定とのこと。

 

次にベルリン大聖堂に向かう。

今日はお散歩日和で気持ちがいい。

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シュプレー川を渡る船も気持ちよさそうだ。

 

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ベルリン大聖堂が見えてきた。

教会に入る。

 

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ここはドイツの名門ホーエンツォレルン家の記念教会で、歴代の国王や王族の墓所となっており、地下にはたくさんの棺が納められている。

神聖な雰囲気が漂い、荘厳な教会だった。

 

実はこの大聖堂には270段の階段を登って天蓋にでることができる。

ちょっと行ってみたろ!

 

汗だくになりながら階段を登ると、

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めちゃくちゃええ景色やんけ!

あのタワーは東ドイツ時代に建てられた368メートルのテレビ塔でベルリンで最も高い建築物だ。

今は展望台と回転レストランがあり、この回転レストランは20分で一回転するという。

設立当初から3倍も速くなっているらしいので、あと何年かすれば遠心力でガラス窓に張り付きながらご飯を食べる人たちを見れるかもしれない。

 

次はポーランドワルシャワに向かう。

初めての旧共産圏の国にぶっ込みます!

アムステルダム【球根魂】

5月5日

本日の予定

  • キューケンホフ公園
  • アムステルダム国立美術館
  • ゴッホ美術館
  • SEX博物館

おはようございます!

今日はチューリップ狩りに行ってきます!

一球入根がんばります!

 

キューケンホフ公園は世界最大級のフラワーパークだ。

開花時期しか開園しないので毎年3月中旬から5月中旬のたった2ヶ月間しか入場できない。

 毎年700万本の球根花が植えられ、チューリップだけでも800種類以上もある。

王将でさえチューリップは1種類しか存在しない。

さすがチューリップ王国オランダである。

 

アムステルダムからバスに揺られること30分あまり、車窓に目をやると見事なチューリップ畑が広がっていた。

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オランダのイメージそのものや!

ここまでチューリップが多いと絵の具を塗った一枚の絵のように感じる。

 

キューケンホフ公園に到着。

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これ桃源郷やないか…(震え声)

 

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この人らはええとこのチューリップやな。

 

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いつもありがとうございます!

おじさんの一球入根のおかげです!

 

庭を散策しているとパビリオンを発見したので入ってみる。

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この年のテーマは"The Golden Age"。

命に限りがあるため2ヶ月しか鑑賞できない儚い作品だが、それだけにその魅力を最大限に活かそうとする作者の姿勢が伝わってきてとても感動した。

本当に花に対する愛情がないとここまでできないだろう。

キューケンホフ公園は人間と花との共演の場であり、生きた芸術作品だと思う。

 

再び外に出て風車に向かう。

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ゆっくりと回る風車が牧歌的なリズムを刻んでいて、とても平和な風景だ。

風車の中の階段を登り、高台からチューリップ畑を一望する。

 

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まるでチューリップの絨毯だ。

見渡す限りのチューリップ畑は息を飲むほど壮観だった。

ゆっくり鑑賞したかったが、ここは撮影スポットなのであまり長居できず再び庭園を散策する。

 

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人も鳥も植物もみんな幸せそうだ。

近くにワッフルの屋台があったので、遅めの朝食を食べながらしばらく景色を楽しんだ。

楽しい時間はあっという間に過ぎ、帰りのバスの時間が迫ってきた。

キューケンホフ公園は想像をはるかに超える素晴らしい公園で自信を持ってオススメできる場所だ。

 

公園王に認定しました!

おめでとうございます!

 

バスに乗って再びアムステルダム市街に戻り、アムステルダム国立美術館に向かう。

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アムステルダムを代表するだけあってさすがに立派な美術館だ。

この美術館は10年間も改装のため閉館されていて、2014年にようやく再開された。それだけに内装はとても綺麗だった。

 

美術館に入る。

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お宝や!

細工が非常に精巧でため息がでるほど素晴らしい。

 

この美術館は非常に規模が大きく、なんと

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図書館がそのまま展示されていたり、

 

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巨大な船の模型も展示されていた。

とにかくヨーロッパの美術館はスケールが大きい。

 

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これは僕の好きなフェルメールの「牛乳を注ぐ女」だ。

とても小さい絵だが、いろいろなメッセージを読み取ることができる。

 

例えば、右下にあるのはストーブであり季節はであることを意味している。

しかし彼女は腕まくりをし、額には少し汗が滲んでいることから恐らく家事をしていたのだろう。割れた窓ガラスから火照った体に心地いい風が吹き込んでいるようだ。

そして牛乳を静かに注ぎ込む…。

慌ただしい家事労働の合間に訪れた一瞬の静寂。

フェルメールの作品はこのように静謐な瞬間を捉えた作品が多く、絵の中に吸い込まれるような魅力を持っている。

 

アムステルダム国立美術館にはその他、レンブラントの「夜警」ゴッホの自画像など素晴らしい作品がたくさん展示されていた。

 

次にゴッホ美術館に向かう。

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先ほどとは打って変わって現代的なデザインの美術館だ。

ただ今回は作品に熱中し過ぎて残念ながら内部の写真をほとんど撮らなかった。

唯一撮った写真がコレ。

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シブ過ぎるぜ…。

ちなみに僕はなぜかこの絵を無性に気に入ってしまって、父のお土産としてこの絵の栞を購入した。

 

ホテルに帰る途中でSEX博物館に立ち寄った。

これは日本でいう「秘宝館」のようなキワモノ博物館だ。

街の一角にある目立たない博物館だが、内容はかなりぶっ飛んでいた。

あまりにも露骨なオブジェばかりで写真をすべて掲載できないのが残念だ。

かなりバカバカしい内容だったが、話のネタとしては面白いと思う。

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明日でアムステルダムとはお別れだ。

自由を重んじる気風ゆえにSEX博物館のようにビックリさせられることもあるが、決して暴走することなく文化水準をハイレベルに維持発展できる国民性の高さは素晴らしいと思った。

 

"I amsterdam"のオブジェの注意書きにこう書かれていた。

「登るなら自己責任で」

この言葉にすべてが集約されているような気がした。

「自由」と「責任」は表裏一体であることをよく理解しているからこそだ。

自由を謳歌する街は懐が深い。

 

明日はさらに東に進みベルリンに向かう。

アムステルダム【自転車サーキットグランプリ】

5月4日

本日の予定

・移動日

 

おはようございます!

今日もぶっ込みます!

 

インターシティ(IC)に乗ってブリュッセル中央駅からアムステルダム中央駅に向う。

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車窓から眺めるヨーロッパの田園風景は絵画のようで美しい。

ヨーロッパの畑はどことなく北海道の風景に似ていると思うのは僕だけだろうか。

 

アムステルダム中央駅に到着。

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アムステルダム中央駅東京駅姉妹駅とのこと

ちなみに東京駅はアムステルダム中央駅をモデルにしたという説があるが、これは誤りらしい。

 

アムステルダムは自転車が多いことでも知られ、人口82万人に対して自転車は88万台人口よりも自転車の方が多い都市だ。

しかもアムステルダムの男性の平均身長は184cmもあるので、自転車も一回り大きくけっこう飛ばしてくる。

ヒョウ柄の服を着た大阪のおばちゃんもグイグイ攻めてくるが、彼らに比べたらリスのようなものだ。

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あちこちに駐輪場が設置されているが、いずれも立錐の余地もないほど自転車で埋まっていた。

 

ホテルまで少し距離があるので、路面電車で移動することにした。

アムステルダムの路面電車は街中を網目のように走っているので、主要な観光場所には路面電車に乗れば効率的に回ることができる。

しかも1日券、2日券、3日券の乗り放題チケットがあるので、観光客にはどえりゃあありがたい乗り物なのだ。

僕は3日券を購入し、さっそく路面電車にブチ込んだ。

 

しかしここで事件が発生した。

 

路面電車に乗車すると間もなく停車。

「まだ駅に着いてないのにおかしいな。」と不思議に思っていると、車外にいる人たちが指を差しながら何やら口々に叫んでいる。

車内アナウンスが流れ、どうやら線路上で事故を起こしたらしい。

ドアが開き、ぞろぞろと外に出ると路面電車の前に自転車が横倒しになっていて、その傍らには頭から血を流したスーツ姿の男性が倒れていた。

おそらく線路の溝にタイヤを取られて転倒したのだろう。

すでに顔色がなく、微動だにしなかった。

ほどなくして救急車が到着し、救急隊が彼の頭をさわった時手袋に血がべっとり付いていた

 

路面電車は当分動かなさそうだったので、歩いてホテルに向うことにした。

やっぱりアムステルダムの自転車めちゃくちゃ怖いな…。

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気持ちを切り替えてホテルに向う。

 

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ええ感じやなあ…。

どこを撮っても絵になる街並みだ。

 

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枝の部分をよく見ると…

 

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隠れ木こりや!

アムステルダムの街にはこういう遊び心あふれるオブジェがあちこちに設置されていて面白い。

 

すこし寄り道してミュージアム広場に向う。

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桜が咲いてる!

ヨーロッパのお花見もなかなかオツですな。

 

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左の建物はコンセルトヘボウ(コンサートホール)で戦前から姿を変えていない歴史的な建物というだけでなく、世界屈指の音響効果を誇るコンサートホールだ

 

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いわゆるインスタ映えというやつだろうか、ものすごい人だかりができていた。

ありきたりな"love"じゃなくて"am"としているところにアムステルダム人としての矜持を感じる。

僕が落とし物をした時に子供が"Excuse me, sir"と言って届けてくれたのには感心した。

 

どの国にも独自の空気感があるが、アムステルダムは街全体をみんなで楽しむ雰囲気にあふれていてゆとりがあるように感じた。

さすがオランダは国連の2018年世界幸福度ランキング6位だけのことはある。

(ちなみに日本は54位)

自転車に乗っているが、気持ちはハーレーダビッドソン級だ。

 

この日はホテルにチェックインすると、明日の観光に備えて早めに就寝した。

アントワープ<パトラッシュと歩く宝石の街>

5月2日

本日の予定

  • アントワープ聖母大聖堂

 

おはようございます!

パトラッシュもおはようございます!

今日は「フランダースの犬」の舞台として有名なアントワープに行ってきます!

 

昨日下見をしたブリュッセル北駅の電車に乗ってアントワープ中央駅に向う。

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このペンキのハゲ具合がなんとも味があるな…。

40分ほど電車に揺られてアントワープ中央駅に到着。

 

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さすがに「世界一美しい駅」と言われるだけあって、大聖堂のように立派な駅だ。

この駅は見た目だけでなく機能的でとても使いやすい駅だった。

治安も悪くなさそうだ。

 

駅からアントワープ聖母大聖堂までのバスが走っていたが、美術館のように美しい街並みを早送りに眺めるのはもったいないので歩いて向った。

 

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うーん、さすがにダイヤモンド取引量世界一を誇る「宝石の街」だけあって絵画のように美しい街だ。

ほどなくしてアントワープ聖母大聖堂に到着。

 

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遠くからでも尖塔が見えていたのでかなり大きい教会だとは思っていたが、近くで見ると想像以上に大きく迫力があった。

教会に入る。

 

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白を基調としていてスタンドグラスがとてもきれいに映えている。

聖母マリアに捧げるにふさわしい雪のように純白な清らかさを感じた。

 

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とても大きなルーベンスの絵がいくつも展示されている。

「フランダースの犬」の主人公ネロが最後まで夢見たルーベンスの傑作だ。

 

ここで「フランダースの犬」のあらすじを振り返ってみよう。

ご存知のない方はとても良い話なので少しの間だけお付き合いください。

ランランラーン、ランランラーン♪

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主人公のネロは画家を目指す少年で、少女アロアは彼を応援していた。
しかしアロアの父親は地元の名士で貧しいネロが娘と交際していることを心よく思わなかった。

 

ある日小屋が火事になった時に「ネロが放火した」という噂を村中に広められたためネロは仕事を失い、身寄りのない彼は家賃も払えない状態まで追い詰められてしまった。
ネロは絵画コンクールの賞金に望みを託し、亡くなったおじいさんの肖像画を必死で描くも落選
落選の知らせを受けて途方にくれる帰り道、アロアの父親が落とした大金を雪の中に発見する。
賞金の10倍もの大金だった。これだけあれば家賃も払え十分生活できる額ではあったが、ネロは正直にアロアの父親の家に届け、その時に愛犬パトラッシュも預けた。
ネロは自分の食べ物をパトラッシュに与えなければならないほど、もはや彼には愛犬を養う力さえ残されていなかったからだ。
そして置き手紙を残し、死を予感したネロはおじいさんの墓を訪れて最後のあいさつをしたあと、憧れのルーベンスの絵が展示されている教会に向かった。

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大金を落として失望した父親が帰宅した時、アロアから事の一部始終を知る。
父親は今までネロを追い詰めていたにもかかわらず、ネロは恨むどころか正直にお金を届けてくれたことに深く反省し自分の過ちを激しく後悔した。
すぐに村総出でネロの捜索にあたった。

 

その時パトラッシュはネロの匂いを手掛かりに、やせ衰えた老体に鞭打って雪中を駆けネロがいる教会にたどり着く。
そこにはルーベンスの絵の前で横たわるネロの姿があった。

 

「パトラッシュ、お前、僕を探してきてくれたんだね。わかったよ、お前はいつまでも僕と一緒だって。そう言ってくれてるんだね、ありがとう。パトラッシュ、僕は見たんだよ。一番見たかったルーベンスの2枚の絵を。だから僕はすごく幸せなんだよ」

 

「パトラッシュ、疲れたろう。僕も疲れたんだ。何だかとても眠いんだ。パトラッシュ…」

 

そう呟くとネロは2度と開かない目蓋を閉じた。
そして天から優しい光が降り注がれ、天使と共にネロとパトラッシュはおじいさんの待つ天国へと昇っていった。

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そしてこれが最後に見た2枚の絵だ。

 

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キリスト昇架

人間の罪を十字架に背負い、処刑の場である「ゴルゴダの丘」に向うイエス・キリスト

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キリスト降架

処刑が終わり、十字架から降ろされるイエス・キリスト。

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ベルギー<日本男児の底力>

5月1日

 本日の予定

  • グラン・プラス
  • サン・ミッシェル大聖堂
  • 小便小僧 

 

おはようございます!

今日も生きてます!

 

Thalys(タリス)に乗ってパリ北駅からブリュッセル中央駅に向かう。

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車体も内装もワインレッドでカッコいい。

接客も丁寧で乗り心地も良く、デザートも美味しかった。

これまで乗ったヨーロッパの列車の中でThalysが一番好きだ。

 

ブリュッセル中央駅に到着。

「世界で最も美しい広場」(一体何個あるねん)のひとつと言われるグラン・プラスに向かう。

高い尖塔を頂く市庁舎ギルドハウスが建ち並び、14世紀の雰囲気が色濃く残る美しい広場だ。

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竹下通りみたいな匂いがする。

この辺りはワッフル屋さんやチョコレート屋さんがめちゃくちゃ多いので、どこからともなく甘い香りが漂ってくる。

ベルギーワッフルをつまみながら、サン・ミッシェル大聖堂に向かった。

 

サン・ミッシェル大聖堂は王室との関係が深くベルギーで一番格式の高い教会で、グラン・プラスから歩いて7分ぐらいの場所にある。

この辺りは観光名所が密集しているのでコンビニに行くような感覚で回れてありがたい。

大聖堂に到着。

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さすがに約300年かけて作られただけあって大きく重厚感のある教会だ。

 

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巨大なパイプオルガンだ。

8月と9月の毎週月曜夜8時に生演奏をしていて、それ以外にも不定期に開催しているようだ。

これだけ大きいとかなり迫力があるに違いない。

 

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すごい躍動感だ。

これがチョコレートでできていたらもっとすごい。

 

王室の宗教行事や結婚式をこの教会で執り行なわれているが、普段は地元の人が集まる教会といった感じで静かで落ち着いていた。

 

次に「世界三大がっかりスポット」のひとつである「小便小僧」に向かう。

路地の一角で中国人の群れががっかりしているのが見えてきた。

たぶんあれが「小便小僧」だろう。

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がっかりされすぎてサトリ世代のような諦めきった表情になっている。

ちなみに日本にも小便小僧があるのをご存知だろうか。

 

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圧巻である。

日本男児ここにあり!

竹下通りに置いてみたら案外有名になるかも知れない。

スイーツ「糖尿病」相乗効果抜群だ。

 

次に明日アントワープに行くための下見としてブリュッセル北駅に向かった。

駅に向う途中大通りを離れて路地に入った瞬間、イスラム系の住民が増えてガラッと異様な雰囲気に変わった。

北駅の構内も昼間にもかかわらず薄暗く、ホームレスがゾンビのようにうろついていた。

明日の乗り場を確認してさっさと帰ろうと踵を返して早足で歩き出すと、後ろの方から怒鳴り声がしてガシャン!と瓶の割れる音がした。

銃を構えて武装した軍人が巡回しているとはいえめちゃくちゃビビった

 

ブリュッセル北駅南駅周辺は安いホテルが多いがなるべくそこは避けた方がいいと思う。

多少高くはなるがブリュッセル中央駅周辺のホテルは安全だ。

ヨーロッパでは大きな駅周辺エリアは貧困層の溜まり場になっていて治安が悪いところが多い。

日本と逆のパターンがけっこうあるので注意したい。

 

明日は「フランダースの犬」ラストシーンの舞台である「アントワープ聖母大聖堂」に向う。

パリ<かちゅ丼一丁>

4月29日

 

朝起きると体調が優れなかったので、大事をとって丸一日休むことにした。

長いヨーロッパの旅も折り返し地点に差し掛かり、少し疲れが出てきたようだ。

この時期のヨーロッパは夜の9時でもまだ明るいので、1日が異常に長い…。

 

4月30日

本日の予定

  • ヴェルサイユ宮殿
  • オペラ座(ガルニエ宮)
  • ピカソ美術館
  • ポンピドゥー・センター

起きました!

今日はやります!

 

最初に向かうヴェルサイユ宮殿は郊外にあるため、時間の都合を考えて久しぶりにツアーを申し込んだ。 

そもそもなぜパリから20kmも離れたところに宮殿が建っているのかというと、ヴェルサイユ宮殿はもともとルイ13世が狩猟用に建てた建物だからだそうだ。

その後ルイ14世が約50年かけて改装し、現在の豪華な宮殿になったという。

 

ヴェルサイユ宮殿に到着。

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門までの広場がめちゃくちゃ広い。

 

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ものすごい門構えだ。

青と金の組み合わせがなんとも清々しい。

 

開門!

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平和の間

いろいろ豪華すぎて何が何かわからない。

 

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王の寝室

Booking.comでもこんな部屋みたことない。

 

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だんだんこの中でも寝れそうな気がしてきた。


さて、ベルサイユ条約が調印された場所でもある「鏡の回廊」に入る。

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うーん、さすがに豪華だ。

当時最高級の贅沢品であった鏡を357枚も使用し、ルイ14世の勢いを象徴している。

 

さらに奥に進む。

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まるでルーブル美術館のようだ。

この宮殿はあらゆるものが揃っていて、まるで小さな都市のようだった。

 

庭園に出る。

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この庭園はル・ノートルが設計したもので、実はシャンゼリゼ通りも彼が手がけた。 

100万平方メートルもの広大な庭園を散策するだけで日が暮れてしまいそうだ。

 

今回は半日ツアーだったので急ぎ足で見学したが、ヴェルサイユ宮殿は半日では到底回りきれない広さなので次回は1日かけてじっくり回ってみたい。

 

パリに戻りオペラ座(ガルニエ宮)に向かった。

この劇場は時代の変遷とともに場所や建物が移り変わり、現在のガルニエ宮は13代目にあたる。

ガルニエ宮は「オペラ座の怪人」の舞台になった劇場としても有名だ。

 

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この周辺はタチの悪いロマ(ジプシー)が多いので警戒しながら進む。

劇場に入る。

 

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入り口の小ホール

赤いソファが落ち着いた大人の雰囲気を醸し出している。

チケットを買って奥に進む。

 

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かなり精緻な彫刻だ。

歩くごとにため息が漏れる。

 

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うーん…、言葉を失うほどすべてが美しい。

さらに奥に進むとガルニエ回廊に出る。

 

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まさに「宝石箱をひっくり返したような」と形容するにふさわしい豪華さだ。

ヴェルサイユ宮殿の「鏡の間」よりもさらに豪華な回廊だった。

まるで互いの美しさを競い合っているように感じられた。

 

劇場内は日によって入れないことがあるらしいが、幸いにしてこの日は中を見学することができた。

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吸い込まれるような静けさがかえって荘厳さを際立たせていた。

天井に描かれているのはシャガールの絵だ。

このシャンデリアはガルニエが設計したもので重さが7トンもあり、かつて落下した事故があった。

その時の出来事がヒントとなって名作「オペラ座の怪人」が生まれたといわれている。

 

ヴェルサイユ宮殿、オペラ座を鑑賞してあまりにも現実離れした光景を目にしたので、現実に戻るべく近くの定食屋に入ってカツ丼を食べた。

この辺りは日本料理屋が多く、日本を離れて米に飢えている者としてはオアシスのような場所だ。

しかし中国人や韓国人経営によるエセ日本料理屋が多いので注意しなければならない。

僕もまんまとひっかかって「かちゅ丼」を食べた。

国際色豊かなどんぶりを食べてピカソ美術館に向かった。

 

ピカソ美術館はピカソの遺族が相続税として物納したものを中心に展示されているという。

ピカソクラスの相続税となると莫大な額になるのでこれは賢い方法だと感心した。

美術館に到着。

 

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中に入ると美術館というよりも貴族の邸宅といった感じだった。

生活の場に展示されているせいか作品に対してどことなく親近感を感じる。

 

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師匠、何してはるんですか…。

 

実験的な作品も多く展示されてあり、天才ピカソの知られざる面を垣間見ることができて面白かった。

次にポンピドゥー・センターに向かう。

 

ポンピドゥー・センターはジョルジュ・ポンピドゥー大統領の発案によって1977年に建てられ、近代美術館だけでなく映画館、図書館などが入った総合文化センターとなっている。

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パリに来てから伝統的な美術館を見続けていただけに、あまりにも前衛的なデザインにちょっとビックリした。

むき出しの鉄筋や配管を見た住民が「これはいつ完成するのですか?」と訊いたという笑い話があるが、気持ちはわからなくはない。

 

美術館に入る。

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うーん、固定観念を揺さぶるような作品だ。

「こういう見方や表現もあるのか」と新しい発見があるから現代アートは面白い。

 

パリという街は「パリ王国」と言ってもいいぐらいフランスの中でも際立った都市だ。

新しいものだけでなく、ヴェルサイユ宮殿のような古いものも未だにピカピカに輝き続けている。

新しいもの古いものが同じぐらい尊重され、アウフヘーベンしながら常に新しいものが生まれている。

 

「いつ完成するのですか?」と尋ねられたポンピドゥー・センターは現代の「バベルの塔」なのかもしれない。

完璧を目指すが、完成はしない。

未来から今という生糸を紡ぎ出し、連綿と時代を編んでいく錦織りのようだ。

 

現代アートのようにあえてバランスを崩すことで推進力を生み、硬直化しないことで時代の変化に柔軟に対応する。

まさに歩くという動作(進歩)がバランスを崩す過程の連続であるように。

それにはしっかりとした骨格(伝統)が必要なのはいわずもがなだけど。

 

定食屋のとんこちゅラーメンをすすりながらそんなことを考えた。

考えてみたらパリに来て日本食しか食べてないような…。

でもパリは「花の都」だから「団子より花」でいいのだ。

これでいいのだ。

 

今日でパリとはお別れだ。

明日はチョコレート王国のベルギーに向かいます!

パリ<よごれちまった悲しみに>後編

4月28日

本日の予定

  • ルーブル美術館 ←済
  • オルセー美術館
  • オランジュリー美術館
  • ロダン美術館
  • ノートルダム大聖堂

 

ルーブル美術館を出たあと近くの定食屋でカレーライスを食べた。

たまたまその定食屋に日本の大学教授が食べに来ていて、一緒にいたフランス人の教員の背中に見事な日本の入れ墨が入っていると紹介していた。 

同じ定食屋でも日本の「松屋」などではこのような光景はなかなか見られないだろう。

さすが芸術の都「パリ」である。

カレーライスを空きっ腹に流し込みオルセー美術館に向かった。

 

オルセー美術館の建物はもともと1900年パリ万博の時につくられた駅舎だった。

駅を美術館にするなんてなかなかシャレている。

さすが芸術の都「パリ」である。

 

ちなみにパリには3大美術館(ルーブル美術館、オルセー美術館、ポンピドゥー・センター)があるが、これらは所蔵作品を年代で区切っている。

おおざっぱに言うとルーブル美術館は19世紀以前、オルセー美術館は19世紀、ポンピドゥー・センターは19世紀以降という分類だ。

 

オルセー美術館に到着。

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 出発進行!

 

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確かに駅という感じがする。

駅の時計にしてはかなり立派だなあ。

 

さっそく絵画から鑑賞する。

ミレーやゴッホ、モネなどの有名絵画が多数展示されていた。

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ミレーの「落穂拾い」

実は彼女たちはこの土地の小作人ではないらしい。

彼女たちは食べるものがない貧しい人たちで、収穫後に落ちた穂を拾ってその日の糧にしているのである。

旧約聖書のレビ記にもこう記されている。

「穀物を収穫するときは、畑の隅まで刈り尽くしてはならない。収穫後の落ち穂を拾い集めてはならない。…これらは貧しい者や寄留者のために残しておかねばならない。

 

「絵画を読む」という本があるが、背景を知った上で鑑賞するとひとつひとつの作品が見る者に雄弁に語りかけてくる。

 

絵画だけでなく彫刻も素晴らしい作品がたくさん展示されていた。

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すごい迫力!

映画のワンシーンのようだ。

 

オルセー美術館は2月革命から第一次世界大戦(1848年〜1914年)までの作品を扱っているだけに、激しい時代のうねりの中から新しいものが萌芽する息吹が感じられた。

小ぶりの美術館だったがこれぐらいの方がじっくり鑑賞できてよかった。

次にオランジュリー美術館に向かう。 

 

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テクテク…

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テクテク…

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テクテク…

 

気持ちよく歩いていると突然ロマ(ジプシー)の少女たち3人ほどが近づいてきた。

「寄付をお願いします!サインしてください!」

とお決まりのフレーズでボードを突き付けてきた。

これはよくある詐欺の手口なので相手にしないで素通りをしようとしたら、ものすごい勢いでガンガン体当たりしてきた。

強引に財布を盗ろうとしているのだろうが、ここまで攻撃的なロマは初めてだった。

おそらくノルマが達成できないと彼女たちもヒドイ目にあうのだろう。

パリという街は華やかな反面こうした闇の部分も深いように感じた。

 

オランジュリー美術館に到着。

この美術館はもともとテュイルリー宮殿の一部だったが、モネの「睡蓮」の連作を収めるために美術館として整備された。

モネ以外にもピカソやゴーギャン、ルノワールなどの絵画も展示されている。

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おじゃまします!

 

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「睡蓮」の絵がパノラマに展示されている。

日本の直島にある「地中美術館」にもモネが展示されているが、それよりもはるかに規模が大きい。

文字通り絵の中にいるような感覚が新鮮だった。

皆公園でくつろぐように真ん中で座ったりして思い思いにモネの世界を楽しんでいた。

 

次にロダン美術館に向かったが、残念ながら閉館していた。

庭には入れたので野外に展示されていた作品を鑑賞する。

 

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有名な「地獄門」だ。

同じ作品は日本にも東京の国立西洋美術館にあり、世界に7作品展示されている。

 

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「地獄門」の群像の一つ。

地獄門の一番上に位置している。

 

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この有名な「考える人」も「地獄門」の群像の一つ。

門の上から地獄に入る人の群れを見つめている。

 

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「カレーの市民」

 

僕はこの作品の背景を知ってとても感動した。

 

時は1347年、百年戦争の時代。

イギリス王がフランスのカレーを包囲した際、フランス王はこれを死守せよとカレー市民に命じた。

フランス軍もカレーを何とか救出しようとするも作戦は失敗。

一年以上もの長い間イギリス軍による兵糧攻めに苦しみ耐えるカレー市民を見かねて、市民の幹部6人が決起し自らの命と引き換えに市民を助けて欲しいとイギリス軍に交渉した。

その要求が受け入れられ、幹部6人が敵軍に投降。

その時の6人のやせ細った身体と死を覚悟した表情、そして英雄的自己犠牲の精神が作品に表現されている。

ちなみに右の男性は城門の鍵を持っている。

その鍵ひとつに市民すべての命の重みがかかっていると思えば、心にとても迫るものを感じた。

 

ロダンの傑作がこんなに野ざらしで展示されていることに驚いたが、人でゴミゴミした美術館から解放されて自然の中で鑑賞できるのは逆に素晴らしいことだと気が付いた。

この時は幸いにして人が少なく、気が済むまでゆっくりと鑑賞できた。

 

次はノートルダム大聖堂に向かった。

ノートルダムとはフランス語で「我らが貴婦人」という意味で聖母マリアを指すという。

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たくさんの天使が迎えてくれる。

近くで見るとものすごく装飾が細かい。

教会に入る。

 

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非常に天井が高く、広い空間だ。

大聖堂には9,000人収容できるという。

 

教会内を見学しているとミサが始まった。

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ここはナポレオンの戴冠式ジャンヌ・ダルクの審判などが行われ、まさにフランスの歴史の舞台として重要な役割を果たしてきた場所だ。

そう思うと目の前の景色がより一層歴史の重みをともなって感慨深く感じられた。

 

今日パリという街を散策して、華やかな面汚れちまった面の両方を見た思いがしたが、逆にそれらを通して清濁併呑併せ持つフランスの歴史の深さ、大きさを少しだけ垣間見れたように思う。

 

明日はヴェルサイユ宮殿に出張します!