ちょっと世界散歩してくる

アル中<歩き中毒>の世界散歩日記

パリ<かちゅ丼一丁>

4月29日

 

朝起きると体調が優れなかったので、大事をとって丸一日休むことにした。

長いヨーロッパの旅も折り返し地点に差し掛かり、少し疲れが出てきたようだ。

この時期のヨーロッパは夜の9時でもまだ明るいので、1日が異常に長い…。

 

4月30日

本日の予定

  • ヴェルサイユ宮殿
  • オペラ座(ガルニエ宮)
  • ピカソ美術館
  • ポンピドゥー・センター

起きました!

今日はやります!

 

最初に向かうヴェルサイユ宮殿は郊外にあるため、時間の都合を考えて久しぶりにツアーを申し込んだ。 

そもそもなぜパリから20kmも離れたところに宮殿が建っているのかというと、ヴェルサイユ宮殿はもともとルイ13世が狩猟用に建てた建物だからだそうだ。

その後ルイ14世が約50年かけて改装し、現在の豪華な宮殿になったという。

 

ヴェルサイユ宮殿に到着。

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門までの広場がめちゃくちゃ広い。

 

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ものすごい門構えだ。

青と金の組み合わせがなんとも清々しい。

 

開門!

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平和の間

いろいろ豪華すぎて何が何かわからない。

 

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王の寝室

Booking.comでもこんな部屋みたことない。

 

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だんだんこの中でも寝れそうな気がしてきた。


さて、ベルサイユ条約が調印された場所でもある「鏡の回廊」に入る。

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うーん、さすがに豪華だ。

当時最高級の贅沢品であった鏡を357枚も使用し、ルイ14世の勢いを象徴している。

 

さらに奥に進む。

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まるでルーブル美術館のようだ。

この宮殿はあらゆるものが揃っていて、まるで小さな都市のようだった。

 

庭園に出る。

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この庭園はル・ノートルが設計したもので、実はシャンゼリゼ通りも彼が手がけた。 

100万平方メートルもの広大な庭園を散策するだけで日が暮れてしまいそうだ。

 

今回は半日ツアーだったので急ぎ足で見学したが、ヴェルサイユ宮殿は半日では到底回りきれない広さなので次回は1日かけてじっくり回ってみたい。

 

パリに戻りオペラ座(ガルニエ宮)に向かった。

この劇場は時代の変遷とともに場所や建物が移り変わり、現在のガルニエ宮は13代目にあたる。

ガルニエ宮は「オペラ座の怪人」の舞台になった劇場としても有名だ。

 

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この周辺はタチの悪いロマ(ジプシー)が多いので警戒しながら進む。

劇場に入る。

 

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入り口の小ホール

赤いソファが落ち着いた大人の雰囲気を醸し出している。

チケットを買って奥に進む。

 

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かなり精緻な彫刻だ。

歩くごとにため息が漏れる。

 

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うーん…、言葉を失うほどすべてが美しい。

さらに奥に進むとガルニエ回廊に出る。

 

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まさに「宝石箱をひっくり返したような」と形容するにふさわしい豪華さだ。

ヴェルサイユ宮殿の「鏡の間」よりもさらに豪華な回廊だった。

まるで互いの美しさを競い合っているように感じられた。

 

劇場内は日によって入れないことがあるらしいが、幸いにしてこの日は中を見学することができた。

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吸い込まれるような静けさがかえって荘厳さを際立たせていた。

天井に描かれているのはシャガールの絵だ。

このシャンデリアはガルニエが設計したもので重さが7トンもあり、かつて落下した事故があった。

その時の出来事がヒントとなって名作「オペラ座の怪人」が生まれたといわれている。

 

ヴェルサイユ宮殿、オペラ座を鑑賞してあまりにも現実離れした光景を目にしたので、現実に戻るべく近くの定食屋に入ってカツ丼を食べた。

この辺りは日本料理屋が多く、日本を離れて米に飢えている者としてはオアシスのような場所だ。

しかし中国人や韓国人経営によるエセ日本料理屋が多いので注意しなければならない。

僕もまんまとひっかかって「かちゅ丼」を食べた。

国際色豊かなどんぶりを食べてピカソ美術館に向かった。

 

ピカソ美術館はピカソの遺族が相続税として物納したものを中心に展示されているという。

ピカソクラスの相続税となると莫大な額になるのでこれは賢い方法だと感心した。

美術館に到着。

 

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中に入ると美術館というよりも貴族の邸宅といった感じだった。

生活の場に展示されているせいか作品に対してどことなく親近感を感じる。

 

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師匠、何してはるんですか…。

 

実験的な作品も多く展示されてあり、天才ピカソの知られざる面を垣間見ることができて面白かった。

次にポンピドゥー・センターに向かう。

 

ポンピドゥー・センターはジョルジュ・ポンピドゥー大統領の発案によって1977年に建てられ、近代美術館だけでなく映画館、図書館などが入った総合文化センターとなっている。

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パリに来てから伝統的な美術館を見続けていただけに、あまりにも前衛的なデザインにちょっとビックリした。

むき出しの鉄筋や配管を見た住民が「これはいつ完成するのですか?」と訊いたという笑い話があるが、気持ちはわからなくはない。

 

美術館に入る。

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うーん、固定観念を揺さぶるような作品だ。

「こういう見方や表現もあるのか」と新しい発見があるから現代アートは面白い。

 

パリという街は「パリ王国」と言ってもいいぐらいフランスの中でも際立った都市だ。

新しいものだけでなく、ヴェルサイユ宮殿のような古いものも未だにピカピカに輝き続けている。

新しいもの古いものが同じぐらい尊重され、アウフヘーベンしながら常に新しいものが生まれている。

 

「いつ完成するのですか?」と尋ねられたポンピドゥー・センターは現代の「バベルの塔」なのかもしれない。

完璧を目指すが、完成はしない。

未来から今という生糸を紡ぎ出し、連綿と時代を編んでいく錦織りのようだ。

 

現代アートのようにあえてバランスを崩すことで推進力を生み、硬直化しないことで時代の変化に柔軟に対応する。

まさに歩くという動作(進歩)がバランスを崩す過程の連続であるように。

それにはしっかりとした骨格(伝統)が必要なのはいわずもがなだけど。

 

定食屋のとんこちゅラーメンをすすりながらそんなことを考えた。

考えてみたらパリに来て日本食しか食べてないような…。

でもパリは「花の都」だから「団子より花」でいいのだ。

これでいいのだ。

 

今日でパリとはお別れだ。

明日はチョコレート王国のベルギーに向かいます!