アントワープ<パトラッシュと歩く宝石の街>
5月2日
本日の予定
- アントワープ聖母大聖堂
おはようございます!
パトラッシュもおはようございます!
今日は「フランダースの犬」の舞台として有名なアントワープに行ってきます!
昨日下見をしたブリュッセル北駅の電車に乗ってアントワープ中央駅に向う。
このペンキのハゲ具合がなんとも味があるな…。
40分ほど電車に揺られてアントワープ中央駅に到着。
さすがに「世界一美しい駅」と言われるだけあって、大聖堂のように立派な駅だ。
この駅は見た目だけでなく機能的でとても使いやすい駅だった。
治安も悪くなさそうだ。
駅からアントワープ聖母大聖堂までのバスが走っていたが、美術館のように美しい街並みを早送りに眺めるのはもったいないので歩いて向った。
うーん、さすがにダイヤモンド取引量世界一を誇る「宝石の街」だけあって絵画のように美しい街だ。
ほどなくしてアントワープ聖母大聖堂に到着。
遠くからでも尖塔が見えていたのでかなり大きい教会だとは思っていたが、近くで見ると想像以上に大きく迫力があった。
教会に入る。
白を基調としていてスタンドグラスがとてもきれいに映えている。
聖母マリアに捧げるにふさわしい雪のように純白な清らかさを感じた。
とても大きなルーベンスの絵がいくつも展示されている。
「フランダースの犬」の主人公ネロが最後まで夢見たルーベンスの傑作だ。
ここで「フランダースの犬」のあらすじを振り返ってみよう。
ご存知のない方はとても良い話なので少しの間だけお付き合いください。
ランランラーン、ランランラーン♪
主人公のネロは画家を目指す少年で、少女アロアは彼を応援していた。
しかしアロアの父親は地元の名士で貧しいネロが娘と交際していることを心よく思わなかった。
ある日小屋が火事になった時に「ネロが放火した」という噂を村中に広められたためネロは仕事を失い、身寄りのない彼は家賃も払えない状態まで追い詰められてしまった。
ネロは絵画コンクールの賞金に望みを託し、亡くなったおじいさんの肖像画を必死で描くも落選。
落選の知らせを受けて途方にくれる帰り道、アロアの父親が落とした大金を雪の中に発見する。
賞金の10倍もの大金だった。これだけあれば家賃も払え十分生活できる額ではあったが、ネロは正直にアロアの父親の家に届け、その時に愛犬パトラッシュも預けた。
ネロは自分の食べ物をパトラッシュに与えなければならないほど、もはや彼には愛犬を養う力さえ残されていなかったからだ。
そして置き手紙を残し、死を予感したネロはおじいさんの墓を訪れて最後のあいさつをしたあと、憧れのルーベンスの絵が展示されている教会に向かった。
大金を落として失望した父親が帰宅した時、アロアから事の一部始終を知る。
父親は今までネロを追い詰めていたにもかかわらず、ネロは恨むどころか正直にお金を届けてくれたことに深く反省し自分の過ちを激しく後悔した。
すぐに村総出でネロの捜索にあたった。
その時パトラッシュはネロの匂いを手掛かりに、やせ衰えた老体に鞭打って雪中を駆けネロがいる教会にたどり着く。
そこにはルーベンスの絵の前で横たわるネロの姿があった。
「パトラッシュ、お前、僕を探してきてくれたんだね。わかったよ、お前はいつまでも僕と一緒だって。そう言ってくれてるんだね、ありがとう。パトラッシュ、僕は見たんだよ。一番見たかったルーベンスの2枚の絵を。だから僕はすごく幸せなんだよ」
「パトラッシュ、疲れたろう。僕も疲れたんだ。何だかとても眠いんだ。パトラッシュ…」
そう呟くとネロは2度と開かない目蓋を閉じた。
そして天から優しい光が降り注がれ、天使と共にネロとパトラッシュはおじいさんの待つ天国へと昇っていった。
そしてこれが最後に見た2枚の絵だ。
人間の罪を十字架に背負い、処刑の場である「ゴルゴダの丘」に向うイエス・キリスト。
処刑が終わり、十字架から降ろされるイエス・キリスト。