ローマ初日 <夜は危険がいっぱい>
4月2日
外に出るとすでに暗くなっていた。
足元が暗く石畳はデコボコしているので、気をつけないと足をくじきそうだ。
それにしても素晴らしい夜景!
あ、三越ローマ店!
しばらく夜のローマを散歩する。
明日から本格的に観光を開始するので、ためしに地下鉄に乗ってみることにした。
日本の券売機と全然ちがう。
タッチパネルに慣れていたので、ボタン操作はかえって新鮮だった。
異国の切符を手にし、テンションが上がる。
はじめてのヨーロッパの電車に胸が高鳴る。
ついに電車が登場!
うっわ、汚なっ!!
車内にも落書きがあり、空きカンがカラカラと音をたてて転がっていた。
椅子は固いプラスチック製で、自動ドアも思春期なみの力強さでバン!と叩きつけるようにして閉まる。
移民らしき人たちがジロジロと僕の様子を見てくる。
異様な雰囲気に包まれ、ここにきてようやく
海外では夜に外出してはいけないことに気がついた。
夜になるとローマ中の噴水がライトアップされていて昼間とは違った雰囲気になっていた。
興奮して街中をうろつきながら次々にシャッターを切った。
ローマは街全体が美術館みたいだ。
しばらく夜のローマを堪能していたが、明日は5時起きであることを思い出しそろそろ帰ろうとしたとき、
"Excuse me?"
とスーツを着た40歳ぐらいの紳士と金髪美女が声をかけてきた。
これが悪夢のはじまりだとその時は知るよしもなかった。
つづく