バチカンで笑う男
4月4日
本日の予定
- サン・ピエトロ大聖堂
- バチカン美術館
おはようございます。
今日はバチカンツアーに参加します。
ローマの会社通勤の人たちに紛れてチブロ駅に到着。
ツアーの参加者だろうか、ちらほらと日本人の姿が見える。
ひさしぶりに聞く日本語の響きに感動で打ち震えた。
朝食を食べずに来たので、とりあえずコーヒーを買おうと自販機に向かう。
youtuberだろうか、自撮り棒を片手に張り付いたような笑顔で自販機の説明をしている日本人の中年男性がいた。
イタリアの自販機をはじめて使うらしく、かなりモタモタしている。
ようやく買ったと思ったら、その場で飲み出した。
僕は動画に映るのがイヤだったので、自販機を使えず結局ジュースをあきらめた。
海外旅行で夢中になる気持ちはわかるけど、まったく迷惑な人だと集合場所に向かう。
ツアー参加者は年配の人ばかりだったので話し相手がおらず、手持ち無沙汰に出発時間を待っていた。
ツアーガイドが参加者のチェックをはじめたが、どうやら一人だけまだ来ていないらしい。
どんどん迫る出発時間。焦るツアーガイド。
その時、勢いよく階段を駆け上がってくる人影が見えた。
見覚えのある張り付いた笑顔の男性が風を切りながら駆け寄ってくる。
またアイツか!
「すいません、撮影してたもので!」
お前は映画監督かw
と内心ツッコミながら、無事に出発できることにホッと胸をなでおろした。
ガイドに連れられてバチカンの城壁に到着。
いろんな国のツアー団体が城壁を取り囲むように集合していた。
全員にヘッドフォンが配られ、ガイドの声が聞こえるかチェックする。
「あ、すいません!これ聞こえません!」
「ボリューム上げてもダメですか?」
「ダメです!全然聞こえません!交換してください!」
笑顔の男の声はマイクいらずのめちゃくちゃ大きい声だった。
いよいよ入場。
青空が広がりとても爽やかな光景だった。
朝日を受けて松ぼっくりも綺麗に映えていた。
笑顔の男は夢中になって球体を背景に自撮りをしていたので、僕も写真を撮った。
そして、いよいよバチカン美術館の中へ。
ラオコーン像!教科書で見たことある!
天井は曲面になっているのに下から見たら真っすぐに見える!
どうやって計算してるんだろう…。
地図のギャラリー
長い廊下と豪華な天井。ただただ圧倒された。
そしてシスティーナ礼拝堂へ。
システィーナ礼拝堂は撮影禁止だけでなくおしゃべりも禁止。
中に入ると異常なほど空間が広く、人が大勢いるのにシンとしているのは不思議な光景だった。
ラファエロの最高傑作である「最後の審判」は世界中から集まった人々を静かに見下ろしていた。
そしてサン・ピエトロ大聖堂へ。
あらゆるものが最高傑作の芸術作品ばかりだった。
僕はただ言葉を失い、感嘆にみちたタメ息をもらすだけだった。
荘厳な大聖堂からサン・ピエトロ広場に出る。
さすがにキリスト教徒の聖地であるだけあって圧倒的な存在感を感じた。
この日は早めに宿に戻って写真を整理したあと、ぐっすりと熟睡した。